2016年6月12日日曜日

「復興」について

作曲家保科 洋先生自身の言葉です。

「復興」は、ヤマハ吹奏楽団の創立50周年を記念して2009年に作曲したもので、2010年1月にサントリーホールにて須川展也氏指揮によるヤマハ吹奏楽団で初演されました。
タイトルの“The rebirth”【復興】とは、ヤマハ吹奏楽団がたどった50年の歴史に思いを馳せつつ、未来の更なる飛躍への期待をイメージして命名したものです。

曲は静かな序奏に始まりますが、この中に全曲のモティーフが含まれており、曲はこれらのモティーフがさまざまに展開されます。

序奏が終わると躍進するアレグロが激動的な数々の起伏を描きますが、金管群とティンパニが呼応するクライマックスを経て中間部に続きます。

中間部は過去の屈折した苦い記憶を噛みしめるかのようにサキソフォーンが愁いを帯びた旋律を奏でると、他の楽器群もそれに呼応して感傷的に歌い継ぎます。

後半は再びアレグロが現れますが、途中から中間部の旋律が未来の飛躍を暗示するかのように明るくデフォルメされて歌われ、そのままクライマックスを形成しつつ、
最後に怒濤のようなコーダで曲を閉じます。

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